すうの一人暮らし寝袋生活 in NZ

40代半ばでニュージーランドに留学し、節約と物欲の間で震える女の独り言

着物の断捨離1

これまでに色々な断捨離をしてきて一番辛かったのは、着物である。物に執着のない私にとって断捨離は比較的簡単なのだが、着物となると全然違う。

 

祖父母や父母から譲り受けた着物や、私のために誂えてくれた着物たち。着物に込められた願いというか家族の絆というか、重すぎる愛情の問題。購入した時は何十万円とする着物も、売ればわずかな価値しかない、または価値すらない現実。

 

カビ防止のために年に数回陰干しをしたり、重たい桐の衣装箱に保管したり、用事で着た後にしみぬき着物クリーニングに出すと1万円近くする。

 

特に喪服なんて近い親族の時しか着ないし、着る機会なんてほぼないから、タンスの肥やし。面倒臭くて放っておいたらすぐカビが生えたりシミが広がる。だったら着物着るならレンタルで十分だと思う。

 

引っ越しの時は、着物は重たい。桐の衣装箱は1Kの部屋には邪魔でしかない。ミニマリストを目指すのに、フローリングにデーンと置かれる桐衣装箱。その隣にはロードバイク・・・

 

簡単なお太鼓結びなら着ることができるので、普段着たらいいじゃないと周りの人は気軽に言うけれど、旅館で着物着て働いていたからよくわかる着物の窮屈さ。アウトドアが好きな私は、スタスタ大きな歩幅で歩けないなんて苦痛そのもの。

 

だから、これまでも少しずつ人に譲ったり、業者に買取してもらったり、処分したり、段階を分けて着物を減らしてきた。その度に家族の思い出、重すぎる愛情、着物の価値とは?、家族の歴史、日本人として伝統を大切にしたいと思っていながら、なぜ着物を着つづける選択ができないのか?祖父母や父母への申し訳なさに・・・・涙が溢れ、嗚咽しながら断捨離を行ってきた。

 

今回も最終決断時には同じように、申し訳なさに直面し、そのタイミングがお盆であったこともあって、コロナで墓参りにも戻れない状況で、本当にいいのかと涙を流しながら自分に問うた。そして、タンスの肥やしにするより、着てもらえる方が良い。自分の生き方を大事にすることのほうが良いと結論づけた。

 

1、とても大切な1着の着物だけ残す。

   (プラス浴衣も1着)

2、誂えてもらった黒礼装(2着)は洋装にリメイクする。

3、それ以外は寄付する。

4、状態の酷いものはゴミ処分

 

これが最終断捨離の決断。